ついにやってきた…前々からアナウンスされてた「Googleディスプレイ来店コンバージョン」ですが、とうとう手持ちのアカウントで稼働しはじめました!! 長かった…嬉しさのあまり書きかけの初心者向けの記事をすっ飛ばしてレポートします。
また、ここから見えてくる条件や、どのくらいの信頼性か?使い道は?など考察したいと思います。
ちなみに2019年6月現在の情報です。まだ新しい機能なので変化は早いと思いますが参考までに。
コンバージョンの設置方法はこちら
目次
この記事の目次
来店コンバージョンとは?
Google広告で「実店舗への来店」をコンバージョンとする仕組みです。ロケーション履歴をONにしているユーザーのデータをベースにGoogleマイビジネスと連携させることで計測が可能となる仕組みのようです。

もともとリスティングからスタートし、2017年にディスプレイ広告も対応したようです。
Google公式ブログの記事はこちら
ローソンやイトーヨーカードーでの実例がブログに掲載されています。
ただ利用できるのは「一部の広告主」とされており、「ホワイトリスト申請」だったため一般ユーザーや小規模事業主では手が届かないシステムでした。
Googleさんが上げる条件をクリアしつつも、無理だろうな…と諦めていたところ

ある日突然増えてました、コンバージョン項目が。
Googleさんのサポートセンターの方いわく、「今年に入ってホワイトリスト申請じゃなくなった」そうな。条件を満たした方はコンバージョンとして設定できるもβ版だからどうなるかわからない、とのこと。
せっかくなのでここまでの約一年間の道のりはまた後ほど、別記事に書き残す予定です。
来店コンバージョンの条件(予測)
まずGoogleさんが掲げる「条件」を再確認してみましょう。
- ご利用可能な国に複数の実店舗がある。
- 広告のクリックや視認範囲のインプレッションが数千回程度
- Google マイビジネス をGoogle 広告アカウントにリンク
- Google マイビジネスに各店舗のビジネス情報を作成
- ビジネス情報の 90% 以上オーナー確認済み
- アカウントで住所表示オプションが有効である。
- 広告のクリックや視認範囲のインプレッションに結び付けれらた来店データとして、ユーザー プライバシーの基準を満たすだけの十分なデータがバックエンドにある。
めっちゃありますね条件…ただあまり具体的ではありません。
ウワサも含めあくまで「目安」として聞いた情報、そして体感的な条件は以下のとおり
- 日本なら計測可能
- マイビジネスで30店舗以上の登録が必要(オーナー確認済み)
- マイビジネスとGoogle広告はリンク済み
- Google広告アカウント単位で月間3万クリック程度のバックグラウンドデータ
- 広告はもちろん全て住所表示オプション設定済みで配信
- アナリティクスでGoogleシグナルはONにしたほうが良いっぽい
これが全てかどうか分かりません。月間3万クリックも行ってませんが、このまま続けると3万クリックの勢いは有ったので良しとしましょう。(キャンペーンは2週間足らずでしたけど)。一応クリアすることで表示され始めました。
見ることが出来る情報
タイムラグの存在
まずはじめに断っておくと、「タイムラグが相当ある」みたいです。コンバージョン計測期間は「30日間」ですが、キャンペーン実施中はロクに伸びず、終わってからグングン伸びだしました。キャンペーンの性質から考えても、キャンペーン終わって大体3〜4週間は様子見たほうが良さそうです。
増える項目

上記画像はGoogle広告の「表示項目」の「コンバージョン欄」です。
来店関連の項目が増えてますが、「実店舗への来店」の他になんと「ビュースルーの来店」も増えています。効果が測定しにくかったバンパー広告など「視認範囲のインプレッション単価」で実施する広告などもこの「ビュースルーの来店」で効果をしっかり測ることができます。

このような形で項目を付け足すことができます。(モザイクかかってるので何のことかわからないと思いますが)
通常のディスプレイだけでなく、バンパー広告・アウトストリーム広告もしっかり計測できています。そしてなぜか3ヶ月前のキャンペーンも急に数値が計上されてます…

広告ごとの来店率も出すことができます。こうしてみるとクリック率は高くても来店につながっていない広告や、クリック率は低くてもビュースルーの来店率は高い広告など、面白い結果が見れます。

「地域」のコンバージョン列には「来店」関係は追加されておりません。残念…
結果から見えてくること
どれくらい信頼できるデータか
クリックからの来店単価は概ね¥100前後でしたが、ビュースルーも入れると¥20程度でした。面白いのが地域ごとにキャンペーンを分けていましたが、本当に地域ごとの差がはっきり出たことです。
- A地域…来店単価 ¥20、ビュースルー含めた来店単価¥10
- B地域…来店単価 ¥200、ビュースルー含めた来店単価¥50
- C地域…来店単価 ¥1000、ビュースルー含めた来店単価¥20
ちなみに今までLP上に設けた「ボタンクリック」を来店前のマイクロコンバージョンと仮置きして効果を見てきましたが、担当者の実感とは比例していませんでいた。
「ビュースルーの来店数」を足した総来店数からの来店数・単価で、店舗の担当者的には「売上と比較してもほぼ予測どおりの数値」との回答が得られた辺り、概ね体感と差はない模様です。指標として使っても問題ないレベルだと思います。
また、店舗の規模の差や立地、地域ごとに消費者が店舗に求めるものの差やLPで展開すべき地域ごとの内容など、今後様々な改善策を考える余地ができました。
仕組みをおさらい
上記より概ね信頼できるデータだと言うことは分かりました。
あくまで計測できた数値からの予測値であり、実数値ではない
出たらラッキー、ぐらいの感覚で考えてもらえたら
Googleサポートの方より
という事実も有るので、条件をクリアしたからと言ってユニークユーザーが少ないと予測できるキャンペーンには期待できな異可能性があります。
タイムラグはネック
運用の改善に使うにはタイムラグの長さはネックです。リスティングの用にリアルタイム性を求める運用法は向いていないと思います。セール時などの参考数値として、次回のキャンペーン時の企画に活かす、という使い方が正解かも。
計測するキャンペーン構成に工夫が必要
地域の設定はキャンペーンごとに設定することになります。キャンペーン当たりの住所表示オプションは30です。マイビジネスに登録されている店舗全て、を対象とすることが出来ます。
1キャンペーあたり30店のキャンペーン構成にする、
もしくは1キャンペーンで全店舗まかなえるキャンペーンにする
(もしくはマイビジネスの構成を変える)など店舗の種類にもよりますが工夫が必要です。
アナリティクスにも「来店」欄が

GoogleシグナルをONにしたことで、アナリティクスにも来店が計上されるようになりました。あくまでLP経由からの来店数でしょうか。こちらは地域も見ることができ、中にはカナダから15人来店とかウソやろ、みたいな結果もありますが、Google広告のグループや広告にカスタムURLを仕込むと面白い計測ができそう。
ここはまだまだ改善の余地がありそうなので今後も研究していきます。
まとめ
今まで実店舗系のセール広告はクーポンを付け使用率を計測する、など来店計測は涙ぐましい努力が必要、もしくはCMのごとくインプレッション重視の使い方がほとんどでした。
来店計測の仕組みもDSP系などお高い仕組みがほとんどで、手が届かない状態(もしくは来店単価とどう考えても割に合わない仕組み)でしたが、Googleで来店が計測できるとなると、大きくやり方の見直しが可能となります。何より、数値が出ることで先方担当者も納得してもらえました。
ハードルはまだまだ高いのが現状ですが、中小企業でもギリ手が届くところまで来たかな?と感じるのでぜひ皆さんチャレンジしてみて下さい!!