昨年末にコチラの記事で壁を傷つけない壁面収納を作りましたが、一年経過し荷物もいっぱいになり新しい棚が欲しくなってきました、
昨年は「STAND BAR」(スタンドバー)を使用し、壁を画びょう程度の穴で傷つけずに壁面収納棚を実現しましたが、今年は新登場の「ラブリコ シェルフフレーム」を使用し昨年同様にディスプレイ棚を作ってみました。その手順やかかった費用を紹介します。
昨年の作例はこちら
目次
この記事の目次
ラブリコ シェルフフレームとは?
まずラブリコの紹介から。以前もラブリコを使用して壁面に天井まで使用できる可動棚を作成したことがあります。
新シリーズ「ラブリコ シェルフフレーム」では以前使用した「STAND BAR」(スタンドバー)同様、壁に突っ張ることなく、また壁に傷をつけることなく棚を作成することが出来ます。
耐荷重は4.5kgと少々心もとないものの、本棚ではなくディスプレイ用の棚なら充分な耐荷重でしょう。
また木材をスタンドとして使用するSTAND BARとは違い、オシャレな専用フレームを使用するので見た目はかなりスッキリしているのがポイントでしょうか。
事前準備
設置箇所の壁のタイプが「石膏ボード」なら画びょうのように壁に傷をつけずに設置することが可能なため、「画びょうが刺さる」壁かどうか事前に試しておきましょう。また石膏ボードでなくても木製の壁なら最悪付属のビスを打ち込むことで設置は可能ですが、その場合は壁に傷がつくためラブリコ シェルフフレームを使用するメリットが薄くなってしまいます。
実際には画びょうより長さが長いピンを使用するため、画びょうは刺さっても付属のピンが刺さらない…という可能性もあります…(ウチは一部そうでした)
今回は廊下・玄関前の2ヶ所に設置します。廊下は少し狭いため1×4材を使用するタイプ、玄関前は少し余裕があるため1×6材を使用するタイプで計画しましたが、ラブリコ シェルフフレームは様々なタイプが準備されているので割と自由に設計できるのが良いところです。
それぞれサイズは以下のように設定していますが、作りながら少し変更した箇所もあります。
廊下用
廊下は狭いので、あまり邪魔にならないよう1×4サイズの細いタイプを使用しつつも、長さは長めに取り収納容量を確保。左右を少しズラしたのはそういうデザインです。
玄関用
玄関は廊下と比べるとスペースに余裕があるため、1×6サイズ、かつ3段と少し余裕をもたせています。ただし画びょうが刺さらない部分も多かったため、長さは短めにせざるを得ませんでした。3本とも端まで伸ばしても良かったのですが、一本だけ短めにデザインしています。
準備したもの
廊下用・玄関用で必要になった材料は以下の通り。今回は塗装をしたので、必要なければもう少し安く上げることが出来ます。
材料はすべてホームセンターで購入しました。
まずは木材です。廊下用は1×4材の8フィートを2本購入し1600mmにカットしてもらいました。
玄関用は1×6材の8フィートを2本購入し1200mmにカット、のこった628mmを1本だけ使用しています。
続けて塗料関連。今回は「ミルクペイント」を使用しています。ホームセンターによっては初めから色がついた木材が売っている場合もあるので、そちらを使用しても良いでしょう。
あとは今回の主役、ラブリコ シェルフフレームです。左が1×4用、右が1×6用となります。
かかった費用は以下のとおりです。
かかった費用-廊下用(1×4材)
名称 | 数量 | 単価 | 合計単価 |
1×4材(6F) | 2 | ¥404 | ¥808 |
シェルフフレーム L型 ショート 1×4用 | 3 | ¥887 | ¥2661 |
ミルクペイント ガーデン(ミルクティーグレージュ)200ml | 1 | ¥1042 | ¥1042 |
ぞうきん | 1 | ¥160 | ¥160 |
やすり | 1 | ¥140 | ¥140 |
刷毛 | 1 | ¥195 | ¥195 |
塗料カップ | 1 | ¥162 | ¥162 |
合計 | ¥5,168 |
かかった費用-玄関用(1×6材)
名称 | 数量 | 単価 | 合計単価 |
1×6材(6F) | 2 | ¥1518 | ¥3036 |
シェルフフレーム I型 1×6用 | 2 | ¥1233 | ¥2466 |
シェルフフレーム L型 ショート 1×6用 | 1 | ¥1018 | ¥1018 |
ミルクペイント ガーデン(ミモザイエロー)200ml | 1 | ¥1042 | ¥1042 |
ぞうきん | 1 | ¥160 | ¥160 |
やすり | 1 | ¥140 | ¥140 |
刷毛 | 1 | ¥195 | ¥195 |
塗料カップ | 1 | ¥162 | ¥162 |
合計 | ¥8,219 |
木材が原材料不足の影響で昨年と比べだいぶ値上がりしている気が…まぁそれでも同様の市販の棚を購入するよりは安上がりです。
また、この他にもドライバー・軍手・メジャーや、塗装の際に下に汚れないように敷くダンボールなどが必要です。もしなかればこのあたりも購入する必要があります。
作成手順
木材の塗装
まずは木材を塗装します。今回使用するミルクペイントは「完全乾燥まで1日」要するので、これも計算に入れておきましょう。
使用するヤスリは#240を使用。本当は#240でかけたあと、#400をかける、という風に目を細かくかけていくとなめらかになるんでしょうが…大変なので今回は#240のみにしました。
もしホームセンターでDIYスペースが併設されたタイプなら、「サンダー」など電動工具を使用して研磨しておくと後の作業がグンとラクになると思います。(※そんなホームセンター近くにない)
ヤスリは使い易いよう細かくカットしておきます。
カットしたヤスリで木材を研磨し、塗装する面をなめらかにしていきます。画像にすると地味ですが、すべての面を研磨するとなるとかなり体力を持っていかれます…今回の作業全体通しても一番たいへんな作業だと思います。
研磨し終わったら、木材に細かい木屑などが付着しているので、雑巾を使って磨き上げていきます。画像には入れてませんが、木くずを取り除くためにこの後床に掃除機をかけました。
すべての木材を磨き上げました。ここから塗装していきます。自宅で塗装する場合は、塗料が地面につかないよう新聞紙やダンボールを下に敷いておきましょう。最近新聞紙って手に入りにくくなりましたよね…
塗料用カップに塗料を出しておきます。
今回使用した「ミルクペイント」は水性塗料でキツイ匂いもなく、塗りやすい優しい塗料。200mlなので全部出しちゃいました。
刷毛を使って塗り広げていきます。水っぽい塗料で伸びやすくて塗りやすいですね。
元の木材と色の違いはこんな感じです。以前使用したブライワックスやオールドウッドワックスなどアンティークな色合いとは違い、しっかりカラーが付きます。ただし、木目もかなり隠してしまうので、木目の風合いを活かしたい場合は向いてないかもしれません。
乾くのも20分程度とかなり早いですね。
1×6用の3本とも塗りました。(手前の面は壁に接する面なので塗装しません。)こちらはミルクティーグレージュというカラーで塗りました。
パッケージを見る限り二度塗り推奨のようなので、乾燥待ちの間1×4用の木材を塗装します。
1×4の面はミモザイエローで塗装します。出してみると思ったよりはっきりしたオレンジです。
ミモザイエローの元の木材との色の違いです。かなりはっきり色が付きますね。
どちらも塗装しました。上部の木材がミルクティーグレージュ、下の木材がミモザイエローです。どちらもクラフトっぽいカジュアルな可愛い色ですね。
二度塗り推奨とのことなのでやってますが…一回でもはっきり色がついているため、正直二度塗りいる?と思ってしまいました。
この塗料の特徴として、水っぽい質感で塗りやすいためたっぷりつけると厚塗りになりがち。乾燥も早いため厚塗りのまま残ってしまう可能性も高く何度か失敗して厚塗りになってしまいました。常に「薄く塗り広げるのを心がける」ことで失敗が少なくなります。
また一度でしっかり色がつくため、二度塗りは色が薄く気になる箇所がなければ特に必要ないかな、と思いました。
これで塗装が終わったので、1日空けて完全乾燥を待ってラブリコでの取り付けに入ります。
ラブリコ シェルフフレームについて
写真上半分が塗装後の木材、下が今回使用したラブリコ シェルフフレームです。
取り付ける際には取り付け位置を測るメジャー、ビスを締めるプラスドライバーは必須です。
こちらが1×4用のフレームです。60cm間隔ごとに1個必要なので3つ使用しました。今回は2段なのでショートのL型を使用。カラーはホワイトを選びましたが、他にもブラックがあります。3段以上の設置の場合はショートではなく通常のタイプを選んだほうが設計の幅が広がると思います。
こちらが1×6用のシェルフフレームです。I型を2つ、L型ショートを1つ使用。左はショートですが、明らかに長さが短いのがわかると思います。3段部分はノーマル、2段部分はショートを使用します。
また、L型とI型の違いは上部の木材を上に乗っけるか、間を通すかの違いです。設置場所や好みのデザインで選択しましょう。
ラブリコ シェルフフレームの取り付け
ここからラブリコ シェルフフレームの取り付けに入ります。
先に廊下に1×4タイプを取り付け、その後玄関に1×6タイプの取付を行いました。
まずは壁の取り付けたい位置に印をつけます。メジャーで天井からの高さ・サイドからの位置を測り、目印をボールペンで付けました。
つけた目印を元にシェルフフレームを取り付けます。フレームの左上に目印がくるよう計算して印をつけていますので、そこにフレームを合わせます。
その状態で付属のピンガイドをフレームの穴に合わせます。
ピンガイドに合わせてピンを刺します。この1個目を差し込むまでが結構キツイ…一人で支えるのが大変なので、人手があれば二人でやると楽だと思います。(今回は一人なのでとても大変だった)
身長と同じくらい高い場所に設置しているので、3本必要なピンの置き場所が手が届く場所に無いのも大変。ピンを刺そうとしてうまく刺さらず何度ピンを落としたことか…そのたびにフレームがズレてやりなおし、を何度か繰り返しました。
説明書によると「ピンはコインで押し込みます」とあります。まぁ硬いものであれば何でも良いでしょう。私は以前100均一で購入したミニハンマーを使用して打ち込みました。
ピンガイド1個につきピンは3つ打ち込みます。1個付けてしまえば安定するので、後は一人でもラクに取り付けることが出来ます。
あとはピンカバーを被せてピンガイド設置は完了です。
ショートタイプの場合はシェルフフレーム1本につき3つピンガイドを取り付けたら設置完了です。
2個目の設置途中から木材を上に乗っけると物置として使えるので便利です。ピンなど小さいパーツを手が届く場所に置くことが出来るので作業がだいぶスムーズに進むようになります。
シェルフフレーム3つとも設置完了です。
1×4材を1個はシェルフフレームの上部に置いて、もう一個はシェルフフレームの間を通します。上下の木材は少しズラして設置しました。
ちなみにシェルフから木材は最低2.5cm以上はみだす必要があるとのことです。
木材の裏から付属のタッピングネジを使用して棚受けを取り付けます。
設置完了。1×4材では1つのシェルフに対して1ヶ所ビス止めで固定します。
L字フレームの上部と木材は2ヶ所ビス止めで固定します。
ちなみにビス止め用に小型電動ドライバーを用意していましたが、シェルフフレームの下の段にあたって上手くドライバーを回せなかったため、やむをえず小型のドライバーを使用しネジを回しましたが、それでも写真のように長くてドライバーがフレームの棚と干渉しており、うまく締めることが出来ずネジを舐めまくっていました。
この間に収まる小型ドライバーを用意しておかないとここで結構時間がかかります。最初の難関、ヤスリがけは体力勝負の作業でしたが、この作業はなかなかうまく行かないストレスフルな作業でした。
こちらは余ったパーツです。予備パーツも充分に入っているので、失敗してピンが折れ曲がっても安心です。
1×4の方は完成です。慣れないためか設置に一時間弱かかりました。揺らしてもビクともせず、思ったよりも丈夫に設置できています。
続けて玄関側の1×6材を設置。こちらはショートタイプではない通所のバージョンで、1フレームに対し4ヶ所ピンガイドを設置します。
1×6の方は棚受けは2ヶ所固定します。
慣れてきたのかこちらは30分程で設置することが出来ました。
完成しました
こちらが1×4の完成図です。棚下にぶら下げる用のフレームはセリアで別途購入したものになります。
こちらは正面から。左右の照明の色が違って見えにくくてすみません。横は160cmもあるのでディスプレイ棚としてはなかなかの容量があります。
こちらが玄関前に設置した1×6の方です。2段部分と3段部分の違いがアシンメトリーで良いですよね。
こちらが正面からのショットです。こちらもセリアで多少パーツを付け加えています。
玄関用・廊下用が両方同じ画面に入るように撮影。
まだ何も飾っていませんが、なかなか素敵な棚ができたと思います。廊下用・玄関用ともに1段目と2段目の高さは合わせているので、調和が取れたデザインにもなっています。これからココに何を置くか夢が広がりますね!
ラブリコ シェルフフレームのメリット・デメリット
最後に私見まじりですがラブリコ シェルフフレームの良いところと悪いところを。
- 良いところ
- 突っ張らずともピンだけで壁面DIYが出来る
- STAND BARよりも見た目がスッキリ
- 良くないところ・注意点
- 画びょうや釘が刺さる壁でないと設置できない
- 耐荷重が頼りない
- ネジ締めが大変
メリット
■突っ張らずともピンだけで壁面DIYが出来る
ここはSTANDBARと同じですね。突っ張らないタイプなので壁に直接打ち付けたような棚が手軽に、かつ壁に大きく傷をつけることなく設置できるのは大きなメリットです。床から天井まで突っ張っているとどうしても目立ってしまいますし、また突っ張る場合は通常のお部屋なら最低でも2m以上の突っ張りが必要なため、結構なお値段になります。
■STANDBARよりも見た目がスッキリ
ここは結構大きな違いでSTANDBARは壁とピンで接する部分も木材を使用するため、壁と棚板の間が結構隙間が空いてしまい、またその木材も見えてしまうためどうしてもゴツい見た目になってしまします。その点ラブリコ シェルフフレームだと壁に接する部分は木材不要で、見た目はフレームを直接壁に取り付けたようにしか見えずデザイン的にかなりスッキリして見えます。
デメリット
■画びょうや釘が刺さる壁でないと設置できない
ここはSTAND BARと同じです。アパートやマンション、家の設計によりますが中には画びょうが刺さらない壁がほとんど、というお宅もありますので画びょうが刺さるかどうか必ず事前に確認しておきましょう。こうして探してみると意外と少ないんですよね…同じ面の壁でも刺さる箇所と刺さらない箇所があったりするので、よく確認しましょう。
また、壁に刺すピンは画びょうよりも長いため、画びょうは刺さるけどピンは刺さらなかった…ということもあるため、事前に判定できない場合もあります。
厳密には「木製の壁」ならビスを使って打ち込む事もできますが、それだとラブリコシェルフレームを使う意味があまりないのが実情です。
■耐荷重が頼りない
ここはSTANDBARと違う所です。設置方法にもよりますが、差が約10倍ほどあります。本棚とかに重量物への使用はかなり計算して設計しないと危ないと思います。まぁ見た目スッキリしたデザインなので、見た目と強度はトレードオフということで用途に合わせて選びましょう。
■ネジ締めが大変
ここが完全に予定外だったのですが、棚板を止めるネジを締めるドライバー、何を使ったら良かったんでしょうか…どのラブリコシェルフフレームも棚板の間隔は変わらないと思うので、ネジ締めスペースが足りないのはどのタイプでも同様だと思います。かなりドライバーの長さ短めの物をお持ちの方は問題ないとは思いますが…(うちには丁度よいものがなかった)
以上、ラブリコシェルフレームでした。これまでもラブリコ・STAND BARなど様々な物を使用して壁面収納と作ってきましたが、どれも向き不向きがあって面白いですね。また機会があればDIYで色々チャレンジしてみます。