ここ最近ずっと気になっていた「左手デバイス」をデザイン作業のお供として導入しました。色々なデバイスが存在する中で今回は比較的安価で導入しやすい「テンキー」を選択しました。その設定方法や使い心地をレビューするので、左手デバイス初心者の参考にどうぞ。
目次
この記事の目次
今回のゴール
左手デバイスを導入することで最終的に目指す状態として、
- 作業中にマウスから右手を離す回数を減らす
- 覚えきれないショートカットなどを割り当て
この2つの作業効率化が目的となります。
右手をマウスから離れる場面というは、主に右手でキーボードの右半分を使用する場合。文字入力時は仕方ないのですが、それ以外は右手をマウスから離す回数を減らすことで作業スピードを上げていこう、という考えです。
また、主にデザイン業務でmacを使用していますが、ここ最近アプリケーションの使用比率が変化してきています。以前はInDesignがメインだったものの、Adobe Photoshop・Illustrator・AfterEffects・Premiere Pro・XDとAdobe系のソフトを激しく行き来するようになり、ショートカットをなかなか覚えることが出来ない点です。
この2点を解消することが大きな目的となります。
デバイス候補
ADOBE COMMUNITY EVANGELISTの境 祐司さんが定期的に開催されている「Photoshopライブ」に毎回参加していますが、様々な左手デバイスを紹介する会があり、その中で気になり色々調べてみたことがきっかけです。
ちなみに「Photoshopライブ」では毎月Photoshopに関する最新の情報や動向、マニアックな達人たちの技術などあらゆる角度からの学びが有るウェビナー。直接的なPhotoshopのテクは少なめですが、今回のような達人たちが使う左手デバイスなどマニアックなネタも多く、新しいツール関係など最新技術での情報がとても勉強になりますので、気になる方はぜひ境 祐司さんのツイッターからどうぞ。
第17回 Photoshop ライブ
— commonstyle (@commonstyle) July 24, 2021
8月28日(土)AM10:00 – 11:00
↓https://t.co/PBNXWWanH2
テクニックを習得しても、自分にとって汎用的に使える技術に発展させていかないと、覚え直しの連続に終始することになります。
Photoshopの達人たちが持っている色彩や光の知識を学んでみませんか?#Photoshop pic.twitter.com/JKnccvS9XT
イラストを書く人やレタッチャーなら間違いなくペンタブ一択なんでしょうが、わたくし絵は描かない(かけない)人ですし、前述の通り関わるアプリケーションが増えてショートカットを覚えきれないのが悩みだったので、紹介されてた中で一番気になったのは
キーを自由に割当できるプログラムキーボード。見た目もゲーミング用途なメカニカルキーボードっぽくてカッコいい。レイヤー切り替えで4モード切替も出来る素晴らしい商品ですが、どうも最新のMac(MacOSX Mojave以降?)では専用アプリ側が使い物にならないそうで…たまたまプライムデーだったので、買うかどうか悩んだのですが、レビューを見て断念しました。(windowsやiPad使用の方なら文句なしに良い商品みたいです)
ちなみに対応していない私の環境は以下のとおりです
- MacBook Pro (13-inch Mid 2019)
- macOS10.15.7(Catalina)
かわりにテンキーを購入
で結局購入したのはコレ
専用アプリでカスタマイズできないなら、テンキー買って別のアプリでカスタマイズしたら良くね?ということでボタン多めのテンキーを購入。
ちょいお高めのテンキーですが、mac用っぽい配置とデザインに惹かれました。
デザインで妥協するなら、このあたりの少し安いやつでも問題はないと思います。ボタン少なくても良いのであれば1,000円前後でもありますし。
一昔前のiMac付属のキーボードを外付けて使用していますが、その隣においてもピッタリのデザインです。
本体裏の電源を入れるとあっさり認識してくれました。
ただこのままの状態だと単なるテンキーとしてしか使えないので、ここからカスタマイズしていきます。
Karabiner-Elementsでキー割り当て
Karabiner-Elementsは、キーボードを始め入力機器をカスタマイズするユーティリティソフトです。
ダウンロードはコチラから
https://karabiner-elements.pqrs.org/
インストールしたら、「Karabiner-Elements」を起動します。
「Satechi Bluetooth Keypad」を認識してくれています。
ここから、このキーはこれ、という風に割り当てていきますが、セットで付いてくる「Karabiner-Eventviewer」を起動すると、今押したボタンが「システム上何のボタンと認識されているか」を教えてくれます。
この表示を確認しながら、「Karabiner-Elements」でキーを割りあてていきます。
画像の例だと「Satechi Bluetooth Keypad」の「keypad_0」(テンキーの「0」)を押した場合、「スペースバー」を押したことにする、といった具合です。
このまま全てのキーを割り当ててしまっても良いのですが、「アプリケーションごとにショートカットを切り替えたい」(割り当てるボタンを変えたい)ので、ここでは以下のように割り当てました。
「button00」とはマウスボタンです。この時点ではテンキーのボタンを使いそうにないマウスボタンに割り当ててます。
デフォルトでは上記のようなボタン配置ですが
あくまで一例ですが、commandなど使いそうなボタン+各種マウスボタンに配置し直しています。
BetterTouchToolでアプリごとにボタン割り当て
ここから「BetterTouchTool」を使ってアプリケーションごとにボタンを割り当てていきます。
BetterTouchToolはシェアウェアで$8.5かかります。$1=約¥110なので¥935ですが、これを350円で買う方法は以下の通り。以前マウスでボタンを割り当てできなかった際の記事の一部です。
余談ですがセットで付いてくる「BetterSnapTool」が複数モニタ使っていると超便利です。こっちだけで十分元取れてます。
割り当て方法
- BetterTouchToolを起動し、左下の「+」から割り当てたいアプリケーションを選択します。
- 上部のデバイス選択では「通常のマウス」を選択
- 右の「トリガーを選択して下さい」の画面で割り当てたいテンキーのボタンを押下します。
するとボタンが認識され、「Karabiner-Elements」で設定したボタン番号が出てきます。(なぜかボタン番号が1番ずつズレてましたが…気にしない)
左にも登場した「Button22」タブを押すと「選択したトリガーに〜」と出てくるので「+」を押すと
アクション設定画面が出てくるので、「キーボードショートカットを送信する」で割り当てたいキーボードショートカットを入力すると、割り当て完了です。
キーボードショートカットではなく、単にボタンを割り当てることも出来ます。
こんなかんじに割り当ててみた
例えばAfterEffectsは上記の通りに割り当てました。
考え方は「このアプリを使用中に右手をマウスから離す場面」を一日くらい作業中にカウント。
テロップなど文字を入力している際は仕方ないにせよ「矢印」と割りと頻度が高い「数字」を入力している際にマウスから右手を離す可能性が高いため、あえてテンキーと矢印を残し、これらの作業を左手で完結出来るようにしました。
あとは使用頻度が高いボタンと、覚えてたら使うけど覚えきれないショートカットを配置した感じですね。
今回はボタンメインで配置しましたが、もちろんショートカット(command+〇〇とか)をダイレクトで配置しても構いません。
とはいえ時間ともに少しづつ変わっているので、一ヶ月後には全く違うものに変化している可能性が高いです。
また、ショートカットを変えた直後は、慣れるまで上記の対応表を画面端に表示させておく感じですね。
所感と今後の展開
頻度の高い特定の作業を中心にショートカットを割り当てたため、作業効率はかなり上がりました。まだ最適解には至ってないため、試行錯誤していますが固定化出来たらプリントアウトしてキーボードに貼り付ける、などに挑戦してみようかなと思っています。